総合診療専攻医
2020年8月から2ヶ月参加
産婦人科疾患の基本的な症候は網羅でき、
患者の半数である女性の抱える悩みに対応できるようになりました
参加のきっかけ
地域医療を担うにあたって、女性医療の必要性は極めて高く、ほとんどの女性が抱えたことのあるような日常的な悩みへの対応が求められている。私が専攻医1年目にいった僻地においても、一般内科やいわゆるメジャー科の影に隠れて産婦人科の領域に関係する悩みを非常に良く相談されたが、当時対応できなかった私は渋々遠方の土地へ患者を紹介するしかなかった。これまでは専門科として独立した産婦人科のクリニックがそういった悩みへの対応場所となっていたが、医療アクセスが乏しい地域や総合診療医が活躍する地域においては、総合診療医・家庭医が一番相談しやすい窓口であり、ニーズも豊富であることから必要性が強く感じられたため。
実際に参加して学んだこと
外来:妊婦さんの妊婦健診以外にも、過多月経や月経前症候群・月経困難症、更年期障害などライフステージ毎の主要疾患への対応、婦人科検診とその二次精査、子宮・骨盤臓器脱や萎縮性膣炎への対応など。産婦人科疾患の基本的な症候は網羅できます。
入院:正常分娩から予定・緊急帝王切開、切迫早産などへの対応、また婦人科腫瘍の手術や化学療法といった症例があります。難しい症例は高次医療機関へ依頼します。
希望すれば夜間の分娩にも入ることができます。総合診療としてのブランクを生まないよう日当直の対応もでき、研修環境としても非常に恵まれていると思います。
参加した感想
これまで欲張りな選択研修をしてきたため残された2ヶ月間でどこまで研修できるか心配でしたが、一通りの疾患に触れることができ、内診や検診、ペッサリー交換や正常分娩の介助なども無理のないペースでさまざま経験させていただきました。あとは実践…というところまで漕ぎ着けましたが、欲を言えば3ヶ月以上の研修期間を設けられるなら今後一人でも安心できそうに思います。研修後、首都圏の総合診療科や僻地の診療所に赴く中でも女性診療はかなりニーズが高く、診療の幅の広がりを実感しています(診療の最後にポロッと聞いてみれば、意外と悩んでいる方も多く…)。
なお、Advanced Life Support in Obstetrics:ALSOもこれを機に受講し、無事に資格取得ができました。現場から学ぶことがたくさんあり、非常に勉強になりました。
これから「産婦人科ブロック研修」に
参加する方へのメッセージ
産婦人科研修を受けることの大きなメリットは、患者の半数である女性の抱える悩みに対応できること!診療の幅も広がり、どこに行っても通用する力が身につくはずです。「産婦人科は縁が遠い領域」なんて思っている人こそ、産婦人科ブロック研修を受けて世界観を広げて欲しいと思います(灯台下暗し!)。また国内有数と言えるくらいにシミュレータ研修も充実しており、高性能なTAUS/TVUSシミュレータだけでなく、腹腔鏡操作、内診や正常分娩、帝王切開まで(!)シミュレータが揃っているため、時間のあるうちに手技の研鑽もできますよ。本当におすすめです。