産婦人科実践型
シミュレーション
トレーニング

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  • 産婦人科実践型シミュレーショントレーニング

当センターでは、周産期医療シミュレーターを用いたシミュレーション教育を行っています。シミュレーターを使うことで実際の診療さながらの臨場感のあるトレーニングを行うことができ、実践スキルの向上を目指しています。
シミュレーション教育には産科だけではなく、様々な職種が関わることでトレーニングとして大きな効果を上げることができます。
多職種が参加しトレーニングを行うことで、より実践に近い経験を積むことができます。

高精度の
産科シミュレーターを導入

国内でも設置数の少ない、高精度の産科シュミレーターを使用します。

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日本ライトサービス株式会社製

当センターでは、日本ライトサービス株式会社の提供するシミュレーターを使用しています。 実際に導入している帝王切開シミュレータ―は、基本となる分娩トレーナーに、内診・帝王切開・産後出血や子宮縫合などニーズに合わせてモジュールを追加することで機能拡張可能なシミュレーターです。
解剖学的に正確な骨盤モデルや分娩の際の抵抗感なども再現されており、よりリアルなトレーニングが可能です。

産科シミュレーション
トレーニング実践

(超緊急帝王切開シミュレーション/市立恵那病院での実践例)

  • オリエンテーション

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    シミュレーションの最初に、コーディネーターから参加者に患者設定を知らせます。参加者はこの時初めて患者の状態を聞くため、予め準備しておくことはもちろんできません。臨床現場同様に、急変した患者に対する対応力・判断力が求められます。

  • 産科を中心にシミュレーショントレーニングを開始

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    患者設定を聞き、産科スタッフを中心にシミュレーショントレーニングを開始します。トレーニングは患者さんを迎えに行くところから始まります。患者を迎え入れたら状態の観察を行い、産科医と情報を共有して適切な処置を行います。

  • 患者状態は刻一刻と変化

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    対応を進めていく間にも患者状態は刻一刻と変化していきます。その時の状態はコーディネーターが資料を用いて知らせています。状態の変化を瞬時に読み取り、的確な判断で指示を出すこと、連携することが求められます。

  • 産科医の判断で緊急帝王切開手術を決定

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    患者状態を把握し、緊急の帝王切開手術を決定。必要部署に連絡を取り合い、手術準備を進めることと並行して患者を手術室へ移送します。的確で素早い判断が求められます。

  • 多職種に協力を要請

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    患者の状態により、どの職種にどんな支援を要請しなければいけないのか、どんな段取りで進めなければいけないのかという判断力が必要となります。特に急変時には産婦人科だけではなく、多職種の支援が必要となりますので、それぞれの専門職がどのように行動すべきかを理解することがとても重要となります。

  • 帝王切開手術もシミュレーターで実践

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    手術室に患者が入るとシミュレーターに切り替えます。麻酔を導入するところから皮膚や子宮の切開、娩出、縫合まで一連のシミュレーションを行うことができます。

  • 母体の対応、新生児の対応

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    娩出後、母体と新生児に分かれて処置をします。母体には引き続き産婦人科医が、新生児には新生児科の医師が担当します。それぞれに専門職が関わり、母子ともに安定した状態へ移行するための処置を行います。

  • 最後には振り返りを実施

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    トレーニングが終了した後には振り返りを行います。振り返りでは一人一人に意見を聞き、評価する点・反省点・改善方法ついて分析します。
    後日、収録した映像で作成した4画面動画により、さらに深く振り返りを行っています。

日常的に実践している
スキルトレーニング

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病院全体で行なうシミュレーショントレー二ング以外にも、シミュレーション機器を使い日常的にスキルトレーニングを実践しています。

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    超音波

    超音波物理の基礎からプローブ操作スキル、画像描出スキル、画像診断能力、医学的意思決定能力までを短期間に独学で身につけるられる経腹・経膣超音波VRシミュレーターを導入しています。

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    ラパロトレーニング

    LEDライト、角度調整可能なカメラが内蔵されたラパロトレ―ニングボックスを導入しています。FLSプログラムに準拠したトレーニングデバイスが付属します。

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    緊急対応などシナリオトレーニング

    シナリオトレーニングに最適な機能を有し、胸腹部をシームレスにスクリーニングできる超音波トレーニングシミュレーターを導入しています。

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    腹腔鏡下外科
    手術

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    内診

    婦人科の腹腔鏡下外科手術はじめ、その他さまざまな外科手技・内診トレーニングを行うことができます。リアルな子宮は様々な病変を内包、出血の再現も可能です。

産科シミュレーション
トレーニング参加者の声

  • 総合診療医

    今回2回目の参加となりましたが、前回と比較してもスムーズに動けている印象を感じました。ただ、オペ室に色々な方が来られた時に「来ました!」と大きな声で言ってくれているのを聞きましたが、手術に入っている皆さんには集中しすぎて届いていないようでした。一方通行になってしまうと連携ができなくなってしまうので、伝達を確実に行うことも緊急時においては特に重要になるのではないかと感じました。

  • 産婦人科医

    早剥で、グレードAで帝王切開をするということで20分後に来たのですが、手術には入らずに赤ちゃんが出てきたとき助産師さんと一緒に蘇生に入りました。普段赤ちゃんの蘇生をしていないので、インファントウォーマーの使い方とかそういうところもたどたどしくて、なかなかスムーズにできないこともあり、そういう勉強もしないといけないと実感しました。

  • 新生児科医

    生後2分半くらいで到着したのですが、それまで蘇生で呼吸再開をしてくれていて、心拍も戻っていたのですごく有難かったです。新生児は蘇生してからも忙しいので、病棟との連携体制や人工呼吸器の準備など事前に決めておくことがまだまだあるなと思いました。今後決めていけたらと思います。

  • 外科医

    夜間の設定で人が少ない中でも、人が集まることで対応できるということが分かり、それは大きな成果だと感じました。設定は結構ヘビーな内容ではありましたが、こうした症例は少ないとしてもゼロとは言い切れないため、実際にそういった場面に立ち合った際にもそれぞれの役割を理解して伝達をしっかりすることで対応することができるのではないかと感じました。

  • 当直医

    実際に当直をやっていてこういう風に呼ばれることはなかなか無く、どういう流れになりそうかという事も把握できなかったので、途中から全身麻酔に変わるという時に多分当直医は大半はできないかなと思うので、少し早めの判断をして外科医を呼ぶということも必要になるかなと感じました。

  • 助産師

    私は最初から凄く混乱してしまい反省だらけです。オペ室に入ってから自分の動きが分らなくなってしまい、新生児の対応はしなくてはいけないと分っていたのですが、それ以外でももっと全体を見渡して行動ができればよかったなと思います。

  • 看護師(当直師長)

    アクションカードを何度か見ながら頭に入れていたのですが、実際現場に来ると臨機応変に動かなければいけないし、自分から声をかけて出来る事をもっと探さなければいけないということをとても感じ、学びが沢山ありました。自分のなかでも振り返って動きをイメージ出来れば良いなと思います。

  • 看護師(手術)

    機械出しを担当しました。病棟の看護師さんにも必要な機械を出していただき、ガーゼカウントにも入っていただいたのでスムーズだったと思います。今回のトレーニングはこれからもみんなで継続した方が良いと思いました。あとは(止血用)バルーンカテーテルを初めて使ったので、使い方を学習できて良かったと思います。

  • 看護師(病棟)

    今回初めての参加でした。自分の中では事前にシミュレーションをしていたのですが、実際始まると想像よりも多くの方が行き来していて、自分の考えていたポジションに別の方が入っていたりして、その時に「他に手伝いが必要な人はいないか?」と動いてみても必要ではなかったので戻ってきて、という感じで無駄な動きが多くなってしまったと感じています。以前にもカイザーの見学や外回りのお手伝いに入らせていただいたりもしたのですが、そのときと比べると動き方が全然違ったのでもう少し色々なパターンを考えておくべきだったと感じています。

  • 薬剤師

    今後もし超緊急帝王切開が起こったときに、今回のシミュレーションで現場の雰囲気や臨場感、対応を経験できたことで、よりスムーズにコミュニケーションを取れるようになったと思います。あと、薬剤の溶解に関しては薬局に持ち帰り、全員で溶かし方を確認していかなければいけないなと思いました。良い経験になりました、ありがとうございました。

  • 臨床検査技師

    輸血を準備している間は検体検査がおろそかになってしまい、両方同時にということは難しく、検査室としてはマンパワーが厳しかったかなと思いました。実際にオペ室に入る機会が全くなかったので、とても良い経験をさせていただきました。

  • 診療放射線技師

    今回は夜間想定のため、医療技術スタッフは各部署一人での対応でした。人員が限られているため、実際には医療技術スタッフは、他の救急対応を並行することも考えられます。グレードA対応を優先するため、他部署とどのように連携して動くかを確認できる良い機会となりました。 

  • ME(臨床工学技士)

    突然の参加でしたが、実際に呼ばれるときはおそらく新生児の蘇生後なので、病棟に呼吸器関連で行っているような気がしました。オペ室では麻酔器の補助という形ならできると思いますが、新生児の対応は厳しいなという感じで、今回の経験を活かして考えていきたいと感じました。

多職種が連携して、
母体、新生児2つの命を守るための
トレーニングを行います