総合診療産婦人科
養成センターについて

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「総合診療医」による女性医療「ウィメンズヘルス」を実現するために、「チームで支える産婦人科医療」を目指しています「総合診療医」による女性医療「ウィメンズヘルス」を実現するために、「チームで支える産婦人科医療」を目指しています

公益社団法人 地域医療振興協会
総合診療産婦人科養成センター センター長

伊藤 雄二

「総合診療医と助産師によるお産、
それを支える産婦人科医」の
実現に向けて

 総合診療産婦人科養成センターの設立は、私にとって10年越しの夢でした。
 「総合診療医と助産師によるお産」という発想は、日本ではまったく馴染みがないため、周囲の理解が得にくい状況が続いていたのです。今これを読んでいる方の中にも、「そんなことをして大丈夫?」と、不安に感じる方がいるかもしれません。
 しかし、総合診療医が担当するのは、助産師だけでも管理できるリスクの低い妊婦です。妊婦のリスク評価は、約75%がローリスク、約22%がミドルリスク、約3%がハイリスクという割合であり、ローリスクな妊婦の健診や分娩介助を総合診療医が担えば、産婦人科医はそのバックアップや手術、比較的リスクの高い分娩等に専念することができます。一方で正常、ローリスクと思われた妊娠・分娩がリスクの高い分娩になってしまうこともあります。したがってそのためにチームでシミュレーションを繰り返し、周産期チームが機能するように備えておくことも必要です。

経験豊かな開業医の先生方に
1年でも長く現役を
続けていただくために

 そして、もう1つの趣旨として、経験豊富な開業医の先生方に、1年でも長く現役を続けて欲しいという想いがあります。
 分娩を取り扱う診療所では、引き続き正常分娩を担っていただき、軽症の合併症妊婦や婦人科患者を病院で対応できれば、分娩の安全性を保ちながら、それぞれの医療機関の特性を活かした役割分担が可能になります。また、分娩取扱い施設のない地域では、ローリスクな正常妊娠の健診は診療所、分娩は病院の総合診療医と分担することで、診療所の先生方にも、地域で長く活躍し続けていただきたいと思います。
 私たちの課題は、単に病院の産婦人科医の負担を取り除くことではなく、いかに地域のお産を守っていくかであり、総合診療医に任せられるところ(処置や正常分娩など)は任せながら、産婦人科医が協力・指導・バックアップしていく体制を築くことです。

地域に必要とされる
総合診療産婦人科医になってほしい

 米国や豪州(オーストラリア)では、何十年も前から家庭医が分娩介助をしており、日本でも最近になって、海外で家庭医学を学んだ医師たちが、産婦人科診療に関わる家庭医の育成に取り組み始めました。
 当センターの展望としては、母体である地域医療振興協会の中で「認定医制度」を発足し、一定の研修期間を条件に、全国のグループ病院でお産に関われる仕組みを創ることです。
 ひとつ先の時代にあるべき総合診療医像を創るため、成長・発展してまいります。